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現代日本の転機―「自由」と「安定」のジレンマ (NHKブックス)73年で何が変わったか
1973年、石油危機。実はここが大きな曲がり角であった。

本書は、その73年以降の日本を、主に経済を軸としながら眺めていく。



73年の危機によって各国は対応を迫られたが、その中で日本は特異な対応をしていくことになる。

そこで出てくるのが二つの立場だ。

1つは「右からの反近代主義」、いわゆる日本的経営と自民党型の分配システム、伝統的分業(男女の役割分担等)に立脚して「安定」した社会を目指すというものである。ここでは個人の生活を保障するのが「福祉的な政府」ではなく「企業」になっている。

もう1つは「左からの反近代主義」、上記のやり方で切り捨てられたマイノリティや女性の「自由」を擁護するというものである。ちなみにここで、欧米で力を持つ社会民主主義的立場、社会の「平等」を重視する立場、が育っていないことは注目すべきである。



そして、上記の二つの方法に対するアンチとして、新自由主義的立場が90年代から台頭する。

左右ともに中央政府の肥大化を招くが、それへの批判を新自由主義は行うのである。



と簡単にまとまってしまうのだが、実は序章だけ読めば大体本書の内容は押さえたことになってしまう。

こまごましたデータや本はまとまってはいるのだが、いささか読んでいて退屈なところも多く、結局序章ですべての気がした。結論や提言はというとひどく常識的だし(とはいうものの、その常識がなかなか通用しないという現状もあるのだが)